季節ごとに書こうと思っていたんだけど、いつの間にか秋になった
っていうか、そろそろ冬なんですけど……
ラノベ挿絵事情も激変! AIイラストを使っている人が増えた! ……ような気がする
LoRA学習で3Dキャラ再現はまだまだマニアック、……このまま陽の目を見ないかもですけど
要約
AIイラスト挿絵の作り方をライトノベル作者のタイプごとに分けたチャートを作成。独断と偏見に満ちたチャートによって、A:自然派、B:参照派、C:LoRA参照派、D:LoRA3D派、E:未来派にわけました。さらにE:未来派について今回も勝手に妄想します!
はじめに
3DキャラクターとAI画像生成を組み合わせれば、ライトノベルの挿絵を簡単に描けるのでは?
そう思ったのが2022年10月です。このサイトの前身的な連載を見ると、わずか一年前なのに隔世の感がゴイスー。恐るべしAIイラスト業界の進歩。
半年前の春にアレコレ考えた時には、VRoid Studioの3DキャラクターをAIイラスト背景で撮影、その後加工修正、って作り方でしたけど、最近はAIイラストメインでやってます。ということで、AIイラストを用いた挿絵について妄想します!
↓春の妄想。このチャートは今でも有効だと思ってます。
↓新機能を意欲的に取り入れるAIイラストメーカー選びが重要な気がしてます。
タイプ別ラノベ挿絵派閥
ラノベにイラストを入れようと思ったらどうするか? いくつかやり方があるので、自分の好みに合った方法を選べばよいかと思っています。
上記のチャートは今でも有効だと思っています。ただし、A:AI派の勢力拡大が激しい。
もともと当サイトはB:3D派でしたけど、今年の夏からA:AI派に転身しています。Aは再現性に難があるためBだったんですけど、LoRAを使えばある程度カバーできます。高嶺の花だったLoRAも、今ではPixAI.artみたいに無料で学習できるサイトがあるんですから、技術の進歩は恐ろしい。
C:外注派もAIイラストの一般化によって大ダメージを受けている、……ような気がします。だって今は無料のAIイラストメーカーが無数にあるんですから。セミプロに曖昧なイメージを伝えて描いてもらうよりなら、明確なイメージを持った自分が作る、なんて人も多いのではないでしょうか。
D:絵師派は強いと思います。熟練絵師の魅力はすさまじいものがありますし、なんと言っても好きは強力です。ですけど、新規にイラストを始める人の一部はAIに流れていそう。上手いことAIイラストを活用している達人もいそうな予感。
それぞれ割合はどんなもんですかね? CとDの違いはわからないんですけど、AIイラスト、3D、手描きイラストの割合ならなんとなくわかります。
小説家になろうで小説にイラストを掲載するためには、みてみんに画像をアップする必要があります。2022年12月1日から毎月1日にアップされた画像は以下のような感じでした。
間違っているものも多々あるでしょうけど、そう大きく外してはいないかと思います。図(地図とか相関図とか)と写真を除いたものをまとめてイラストとし、AIイラスト、3Dイラスト、手描きイラストがイラスト全体に占める割合をそれぞれ計算しました。
AIイラストが徐々に割合を増やし、手描きイラストの勢力が侵食されているのがわかるかと思います。ちょっと気になるのがお正月の手描きイラストの強さですね。やっぱり記念日めがけて気合を入れて創作するっぽい。趣味の強みですね。……あと、3Dイラストのレアさがスゴイです。
ところで当サイトの春の記事を見てみたら、ラノベ投稿サイトで挿絵当たり前の日が来るのでは、なんて書いていました。作品紹介が文字だけではなく、イラスト付きになるって妄想です。そうなるとイラスト有り無しでPVに差が出るので、少なくとも表紙絵くらいは必須になるかも。
もちろん賛否両論あるでしょうけど、そうなった場合、最もお手軽なAIイラストでとりあえず一枚作っとくか、みたいな流れになる予感。ますますAIイラストが優勢になるかもしれません。
タイプ別AIイラスト挿絵派閥
勝手な派閥分け
AIイラスト挿絵の内部にも、やっぱり派閥があるものと考えています。……いや、単純にそういうの考えるの好きなんですよ。
A:自然派は昔ながらの手法を愛する派閥です。プロンプトのみで勝負。呪文がすべてです。キャラクターの難易度にもよりますけど、よほどの達人でない限り、同じ人物を生成してもらうのは難しいでしょう。話の筋からは少しズレてるけど、美少女の挿絵が載っかってる、みたいな感じ。
B:参照派はプロンプトと参照画像で高い再現性を実現する派閥です。おそらく今の主流、……と勝手に考えています。「Reference only」を駆使することで、お気に入り画像によく似たキャラクターを大量生産できるメリットがあります。わりとシンプルで、ややこしくないのも魅力的。
もっと再現性を高めたい! というわがままな人はLoRAを検討します。
まずはC:LoRA参照派。「Reference only」で手に入れたたくさんのお気に入り画像から、「これは!」というものを集めて、LoRA学習します。するとアーラ不思議、高い再現性で同じキャラをコンスタントに生成してもらうことが出来ます! ……たぶん。
お次はD:LoRA3D派です。当サイトがこの派閥に属しています。3Dキャラクター作成ソフト(当サイトはVRoid Studioを愛用)で作ったキャラをLoRA学習します。うまくいけば特徴的なキャラクターも再現可能! ……と夢見て日夜頑張ってます。
ラストはE:未来派。……早い話が妄想です。LoRA学習よりももっと再現性を高めるためには、3Dキャラクターのデータをそのまま使うのが良いと思ってます。たぶん再現性は最強。3Dキャラにポーズ付けて撮影して、AIに好みの画風に再描画してもらう、みたいなイメージです。
未来派を待ってます!
妄想が止まらなくなってきたので、もうちょっと掘り下げます。
現状、D:LoRA3D派である当サイトはどうやってAIイラストを生成しているか? そのやり方をもうちょっと詳しく見ていきます。
まずはキャラクターの指定です。3DキャラからLoRA学習、とひとことで言うと簡単ですけど、これがなかなかややこしい。学習の設定を決めるのが手探りですし、あるキャラで定まっても他のキャラでパラメータが同じで良いとは限りません。作風や好みによっても変わってきそうですし。
設定が決まったとしても、学習画像の準備がひと苦労です。枚数は定まっていませんけど、当サイトでは今のところ30枚で学習しています。一人や二人ならまだしも、たくさんの3Dキャラを準備して、ポーズを変えて、背景を変えて、これらを撮影する必要があります。
状況の指定は他の派閥と同じくプロンプトと参照画像です。やはり呪文は偉大なのですよ。ControlNetの棒人形「DW Pose」を使い参照画像のポーズを再現したり、「Reference only」を併用して雰囲気を寄せたりしています。
キャラ指定と状況指定がぶつかると、再現性が低くなる傾向があります。トリガーワードのみLoRA生成で再現性が高くても、プロンプトで背景を指定してControlNetでポーズを指定して……、とやればやるほど、オリジナルキャラからは離れていきます。
しょうがないので、今は合成しています。良い背景と、良い服装と、良い顔を合体させてAIコラージュです。さらに全体の雰囲気を統一し好みの絵柄にするために、再描画してもらっています。これら一連の処理にかなりの時間と手間がかかります。
これがE:未来派だとどうなるのか?
キャラ指定は3Dデータそのものでおこないます。再現性は完璧! ……え? 3Dデータを持っていない? 自分で作るのも簡単ですけど、何しろ未来ですからAIがやってくれるます。っていうか調べたらすでにありました。
まだ難しそうな感じですけど、こういうのってすぐにこなれてくるはずです。もうちょっと待てば、無料になって私のような貧乏人まで降りてくるかも。夢が広がりますなぁ。
状況指定は従来通り、プロンプトと参照画像でおこないます。呪文で生成したAIイラスト、あるいは参照画像のControlNet棒人形や「Reference only」的雰囲気に、キャラの3Dデータを当てはめる、って感じです。これならキャラ指定と状況指定がぶつかって再現性が下がることもないはず……きっと。
もちろん合成からの加筆修正など不要! 再現性が高く、作画崩壊もないので素人が手を加える余地などありません! さらに、プロンプトと参照画像がイイ感じに画風を整えてくれます! 遊んで満足、任せて安心、一家に一台夢の未来派AIイラスト!
……果たしてこれがAIイラストか? ってのはたしかに疑問として残りますけどね。良いんですよ。要は素人でも簡単、無料に再現性の高い魅力的イラストを作れれば。
今のところ、AIイラストはかわいい美少女、キレイな美女イラストを生成するのがメインのお仕事です。ある程度同じキャラを安定して生成できるのであれば、挿絵にも応用できる。もちろんこれでも良いんですけど、再現性が上がればさらに応用先が広がります。
まずはやっぱり漫画ですよね。漫画は挿絵と違って、1シーンで複数枚の画像が必要となります。コマが連続しているので、再現性が低いと誰が何をしゃべっているのかわからなくなりそう。もちろん再現性の高い未来派なら対応可能です。
さらにハードルが高いアニメだって、未来派なら完璧。常に同じ3Dデータを用いるのですから高い再現性が担保されます。直前画像を参照していたらエラーが蓄積して、三十分後には別人になってました、なんてことは起こらないんじゃないですかね。
これができれば、漫画の面白いストーリーは考えられるけど絵が苦手な人も(そういえばプロでもそんな人いましたね……)、監督としてアニメ(映画も可)を作ってみたい埋もれた天才も、存分に才能を発揮できます。まさにクリエイティブ大航海時代です!
ということで、やっぱり未来派希望! どなたか作ってください!
まとめ
AIイラスト挿絵の作り方をライトノベル作者のタイプごとに分けたチャートを作成。独断と偏見に満ちたチャートによって、A:自然派、B:参照派、C:LoRA参照派、D:LoRA3D派、E:未来派にわけました。さらにE:未来派について今回も勝手に妄想しました!
↓面お絵描きが上手くいけば、あらたな手法が出来上がるかも!?
↓D:LoRA3D派の汗と涙の結晶です!
↓これらラノベ挿絵に適しているかどうか目線のAIイラストメーカー比較です!
↓調べて気になったのでAIピクターズで遊んでみました。
↓PixAI.artでのLoRA学習にも挑戦中です!
↓マンガにもそのうち再挑戦したい。今ならオリキャラLoRAでいける?